CGエンジニア必携を発売開始しました

このたび、私の新刊 『CGエンジニア必携 ― CGアルゴリズム実装ハンドブック』 が発売されました。
長年にわたり研究・実装してきた幾何学処理とリアルタイム描画の知見を、一冊にまとめた内容です。
CGモデラーを作成するために必要な技術を網羅したつもりです。この一冊で、独自のモデラーを一から作り上げるための基礎と応用 を体系的に学ぶことができます。
なお、レンダリング技術(レイトレーシングやパストレーシングなど)については、より専門的な内容を扱った拙著 『レイトレーシング・グル(Ray Tracing Guru)』 に譲っております。本書では、主に「形をつくる」「形を扱う」ためのアルゴリズムと実装に焦点を当てています。

CGソフト開発に必要な基礎アルゴリズムを、実装を通して体系的に習得できます。
市販のCGソフトに近い機能を、自らの手で構築する技術が身につきます。
普遍的な数理・アルゴリズムの理解により、DirectX以外の環境にも応用可能です。
サンプルコードと解説を体系的に整理した、実践的ハンドブックとしても活用できます。

メッシュ読込みの章では、Rhinoの3dmデータをC++で解析し、メッシュやNURBS曲線・曲面を読み取り、DirectX 12で可視化するまでの手順を、初心者にも理解できるよう丁寧に解説しています。
Rhinoの3dmデータをC++で読み取るだけでなく、
STL / OBJ / PLY / GLTF / FBX / SKP など多くの形式に対応。
単なるメッシュ処理にとどまらず、
Bézier・B-Spline・NURBS曲線/曲面の生成・操作・変形・交差判定までを体系的に解説しています。
加えて、作成したジオメトリを DirectX 12 で可視化するサンプルを多数収録。
内部アルゴリズムの理解を最優先にしつつ、リアルタイム描画まで一貫して実装できます。
グラフィックス技術を単なる「描画」ではなく、「アルゴリズムの理解」として学びたい方に向けた実践的な技術書です。

■主な章構成(抜粋)

序章:開発環境、bmathライブラリ、他ライブラリへの移植方法

第2章:トライアングル/クアッド/スフィア/ティーポット/シリンダーなど各種ジオメトリ生成

第3章:プロシージャル生成(N角形・Bézier・B-Spline・NURBS曲線/曲面)

第4章:ジオメトリの選択・移動・変形

第5章:各種ファイルフォーマットの読み込み(STL, PLY, OBJ, GLTF, FBX, SKP, 3DM)

第6章:画像読み込み(BMP, JPG, PNG, WebP)

第7章:DXF書き出し(レイヤー/ブロック対応)

第8章:レンダリングパイプラインと座標変換

第9〜10章:カメラ・マウス操作

第11〜12章:交差判定・距離・角度・幾何要素の算出

第13章:デバッグ、差分検証、分割統治

第15章:各種定数・物理特性・行列対応表

■この本が目指すもの

本書の目的は、APIに依存せず自分の頭で「形」を作る力を養うことです。
グラフィックスの基礎を「アルゴリズム」として体系化し、
初心者から研究者まで、幾何計算と描画技術を一貫して理解できる構成としました。

DirectXは本質ではなく「結果を確かめるための道具」。
ジオメトリの本質的理解こそが主題です。

技術的探究心をもつ方々に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
長年積み重ねてきた実装知識を、すべてこの一冊に詰め込みました。
どうぞよろしくお願いいたします。

詳細は以下になります。
https://barepixel.co.jp/cg_engineer_hikkei-2

本書は以下より入手いただけます:
https://barepixel.co.jp/shop/2025/10/12/cg_engineer_hikkei/

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